作品名「晩秋の鳥海山」
45.5×33.3cm
キャンバス油彩
2014年12月
鳥海山(標高 2,236m)に登ったのは随分前の夏です。
時間短縮のため早朝の羽田から庄内空港まで飛行機で飛び、空港から登山口までタクシーを利用、昼前に登山口に着きました。
快晴の夏空のもと出発しました。
途中には豊富な雪渓があって、付近にはコバイケイソウ(知っている数少ない高山植物の一つ(-_-)やその他多くの種類の高山植物が咲いていました。
しばらく登った後、今日の宿泊の頂上直下の小屋に着きました。
小屋には宿泊するだけと期待していませんでしたが、従業員の人達が泊めてやるんだと言わんばかりの横柄な振る舞いで大変不愉快な思いをしました。
山はとても良いのに大変残念な経験でした<(`^´)>
翌早朝、大きな岩だらけの登山道を登り、頂上で日の出を迎えました。
天気が今日も大変良く周囲の山が遙か遠くまで見渡せ、日本海もすぐ近くに見え素晴らしい眺めでした。
鳥海山はチョウカイフスマなど固有の高山植物が多く、下りでは今まで経験したことのないほどのニッコウキスゲの美しい大群落の中を下山しました。
下山口の鉾立(ほこだて)では、展望台から奈曽(なそ)渓谷を挟んで今降りた鳥海山が遠くに臨めました。
遙か先の渓谷上空を日本では最大の猛禽イヌワシが舞っているのを発見しとても感激しました(その当時バードウオッチングもやっていました(-"-)
希少鳥類のイヌワシを目撃できたのは人生で何度も経験できない出来事でしたが、今でも生息しているのか気がかりです。
鳥海山は高山植物や豊かな自然に恵まれた美しい独立峰で、頂上からの展望も素晴らしく、私が今まで登った山の中でも最高の山だと思っています。(頂上小屋を除く)
下山後に地元の人に教えてもらった鮨屋で食べた大きな夏牡蠣もここでしか食べられない美味しさでした。
この絵は晩秋の紅葉に染まる鳥海山を描いたもので、ボリューム感のある山の様子を表現したいと思いました。
まもなく厳しい冬が到来し限られた人だけが登れる季節を迎えます。
この絵が2014年最後の一枚となりました。