作品名「北岳」
45.5×33.3cm
キャンバス油彩
2015年8月
北岳(標高3,193 m)に登ったのは1985年の夏、日航機が御巣鷹山に墜落した直後でした。
もう30年前のことですが、当時の情景は事故の記憶と共に良く憶えています。
とても暑い夏で強烈な日差しの中、広河原から入山、北岳、間ノ岳(標高3,189 m)、塩見岳(標高3,047 m)と3つの大きな山に登った3泊4日の縦走でした。
日航機の飛行コースが良くわからない状況でしたので、ひょっとしたらこの山なみの上も飛んでいったのかなと想像し、その時の乗客の絶望的な気持ちに思いをいたしました。
同期のYaさんと二人での山行でした。
その頃はそれまで山に良く行っていた仲間がほとんど結婚していましたので、自然と独身の二人での山旅になりました<(`^´)>
Yaさんはスリムな体型、私は少し肥満体でしたが、二人とも若く体力があり、私は確たる理由もないのに、これからの人生に何か良いことが待っているような漠とした期待感を持っていました(-"-)
厳しい山旅でしたが、南アルプスはこれが2回目でしたので一つ一つの山の大きさに新鮮な驚きを感じました。
中でも富士山の次に標高を誇る北岳は堂々とした美しい山容で特に印象深い思い出があります。
肩の小屋に泊まり翌日頂上で太陽が昇るのを見ました。
富士山、中央アルプス、北アルプスそして南アルプスの大展望に感嘆し、これからの長い縦走路を目で辿りました。
この絵は北岳を越えて北岳山荘付近から望んだ北岳の姿です。
山の風景を描くときは自分の行ったことのある山を描くことにしています。
行ったことのある山を描くと絵に思いがより込められるような気がします(^_^;)
最近は絵に描けるような山に登っていないので、古い山の絵ばかり描いています(>_<)
もう南アルプスに行くことはないだろうと思うと寂しいですが、久しぶりに北岳と再会した1枚です(*_*)
この時は小屋泊りの登山でしたが、テントを描いていて昔は当たり前だったテント生活を懐かしく思い出しました。
若かった頃のようにテントを担いでの縦走をまたしてみたいと思いますが、体力、やる気など思うようにいかず、実現できないのは残念です。