作品名「夕映えのミルフォード・サウンド」
45.5×33.3cm
キャンバス油彩
2017年1月
ミルフォード・サウンド (Milford Sound) はニュージーランド南島のフィヨルドランド国立公園に位置し、同国が世界に誇る世界遺産です。
Soundという言葉で音と関係があるのかなとずっと思っていましたら、入り江を意味し川の水の氾濫によってできた地形とのことでした。
フィヨルドは氷河の進退によって削られた岩山に氷河の溶けた水や海水が入り込んで形成される地形ですが、発見当時の人々の地理や言葉の知識がなかったためにsoundと名付られてしまったとのことです。
画面中央の山はマイターピークで標高1,692m、海面から直接そそり立つ山としては世界最高の高さで、スイスのマッターホルンによく似たピラミダルな形をしています。
私たちはこの山の近くの桟橋から船で湾内クルーズに出発しました。
濃いウルトラマリーンの色の海はとても深そうで、ほどなく急峻な岸壁から直接海面に流れ落ちる数々の巨大な滝や岩の上でのんびり休んでいるオットセイ、海面を船と競争して泳ぐイルカの群れなどが見られました。
この絵は夕日がまさに沈む間際のミルフォード・サウンドです。
残照を受けて輝くマイターピークと雲が静かな海面に反映する風景の美しさを表現できればと思いました(滝もありますよ~)
ニュージーランドは絶滅してしまった巨大鳥モアやキウイなどの飛べない鳥、シダ類の繁茂した森林など日本とは様相の異なる美しい大自然に恵まれています。
そのような大自然の中で人々はのんびりと生活を楽しんでいるように見えました。
日本人の慌ただしい生き方と比べ彼らの生き方を羨ましく思ったものです。
あの頃から随分時が経過しましたが、思い返すと日々の生活を楽しむ余裕もなくあくせくと暮らしてきたような気がします。
もう私も既に人生の終盤戦に突入してしまいました。
これからの人生、今までとは違う形を模索しつつ有意義に過ごしたいと思うこの頃です(*^^)v
※ この絵は年末に描き終えましたが2017年最初のアップ作品です!